レノボのThinkBook 13s Gen2は2020年に発売された割と新しめのモデルですが、ベゼル左下部が浮いてきたとの事で修理依頼を受けました。確認してみると開閉も難しい状態でした。現状を確認する意味でも分解修理必須です。なんでも分解せずにはいられない性癖の持ち主としてはワクワクする案件です笑
分解手順
裏蓋の開け方
裏蓋は9か所のトルクスネジで止められています。プラスドライバーでは開けられません。
トルクスドライバーのT5のサイズを使います。9か所全部が同じサイズです。ネジも同じなのでまとめてしまって大丈夫。
角から隙間を開けていきます。カードなどを少しずつ指し込み一周させます。軽く爪で留められているので、ある程度開いたらパキパキと外していきます。
カバーを外したところ。Macbookのようにパーツが隙間なく敷き詰められています。
このとき、ついでにバッテリーの型番を撮影しておきます。同じ機種でバッテリー交換の依頼があった時にすぐに注文できるようにするためです。
各コネクタを外す
まず初めにバッテリーコネクタを外します。通電したまま他のコネクタを外してしまうと最悪故障します。
ディスプレイケーブルを外します。必ずラッチをヘラなどで跳ね上げてから抜きます。
ディスプレイケーブルはヒンジなどとテープで留められていますので、それも剥がします。
無線LANカードのアンテナケーブルも外します。プラスとマイナスのケーブルの配線を覚えておきます。おそらくマイナスのほうに白いテープが巻いてあるので分かりやすい。やはりテープで留められているのですべて剥がします。その他ディスプレイと繋がっているコネクタすべて外します。
配線カバーの取り外し
配線カバーは軽く爪で留まってますが、上に持ち上げるように外します。カバーは外すよりはめるほうが苦労すると思います。4枚目の写真の赤で線を引いた部分に基盤が挟まる形になっています。はめるときはそこを見ながら慎重にはめていきます。あとはケーブル類は主にカバーの上の山部分を通っています。
問題個所判明
ベゼルは下部分がネジ3つで留められています。それを外したら例によってパキパキとベゼルを外していきます。本体とディスプレイを連結するヒンジのネジもすべて外します。両側とも3つのネジで留められています。このあたりで原因が判明しました。下ケースと台座の接着が剝がれています。
あとディスプレイと本体を外すときに注意してください。ある程度ノートPCを開いてから、構造を理解しながら慎重に外していきます。
接着修理
現実的な修理としては元の通りに接着するしかないと思います。コニシの2液を使ったエポキシ樹脂の接着剤が、時間は掛かりますが一番固まります。今回は一晩では心もとなかったので二晩おきました。固まったのを確認してからヒンジ周りをコニシのウルトラ多用途SUで埋めました。少しは補強になると思います。ここは同じくエポキシ樹脂の接着剤で埋めても良かったと思います。その場合、液晶に干渉にしないように注意しないといけません。アロンアルファみたいな接着剤はダメです。周りのパーツを痛めます。そもそも大量に塗布すると固まりません。
修理完了
組み上げて修理完了です。開閉時に一番力の掛かるヒンジ部分の台座とケースを狭い面積で接着しているのが問題だと思います。
レノボのサポートセンターに問い合わせたら自分でベゼルを接着してくれと言われたそうですが、それで何とかなる問題ではなく接着剥がれがそもそもの原因です。これは構造上の問題です。
台座をもっと広くするか、可能であればケース裏からネジ止めするほうが強度が高いと思います。この次のモデルでは改善されている可能性があります。
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